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絵本のルーニーズ

色のせいかくとなかま

太陽は何色?だいだい色?赤?黄色?青いお空の太陽は、とってもあったかそう。もし、赤いお空に青い太陽だったら、どんなきもちになるかな?赤やだいだい色の火はあったかいし、青や水色の海の水はつめたいね。だから、赤やだいだい色はあったかいなかま。青や水色はつめたいなかま。緑の葉っぱはどっち?あったかい?つめたい?緑の山々の遠くを見ると、近くより青っぽく見えるね。遠くのほうはつめたいのかな?

類似色

海の水色は、青っぽく見えたり青緑に見えたりするね。それは、水色と青と青緑が似たものどうしだから。葉っぱの緑は、黄緑に見えたり青緑に見えたり。それは、緑と黄緑と青緑が似たものどうしだから。いろんな色があるけど、少しずつ似たものどうしがあつまってできてるんだよ。

類似色
類似色

色相環の各色の両隣の色を“類似色”といいます。類似色はその名のとおり、色味が似ている色です。この類似色を使うことにより、自然界に見られるような調和のとれた色使いができます。グラデーションにも適しています。最も失敗のない、まとまった配色でもありますが、反面、面白みに欠けるという点もあります。

補色

つめたい水色は、あつい赤と反対のせいかく。黄色はこん色と反対のせいかく。でも、反対のせいかくでも、ほんとうはなかよしだから、おたがいが引き立つんだよ。

補色
補色

色相環上で対角にある、向かい合う位置の色を“補色”といいます。赤とシアン(緑みの青)、マゼンタ(赤紫)と緑、黄と青紫などが補色の関係になります。補色は反対色とも呼ばれ、暖色と寒色など、反対のイメージを持っているので、補色の配色は特定の色を際立たせるのに有効です。例えば、青い空(背景)に黄色いひまわり(前景)が映えます。また、補色関係の色は、混色すると無彩色になります。これを利用して、陰影部分に補色を少量使うと、深みのある自然な陰影が出来ます。

進出色と後退色

お月さまは、ほんとうはすごくとおくにいるんだけど、なんだか手がとどきそう。もしお月さまが青かったら、どうかな?とおくの山は青かったけど、近くまで行ってみたら、きれいな緑だったよ。

進出色と後退色
進出色と後退色

赤や橙、黄などの暖かいイメージの色を暖色、青や青紫などの寒いイメージの色を寒色といいます。どちらともいえない色を中間色と呼び、隣接する色の影響により、暖かくも寒くもなります。
暖色は手前に向かってくるような印象を与え(進出色)、寒色は奥に向かっているような印象を与えます(後退色)。
また、同じ色相でも、明度の高い色のほうが手前に感じ、明度の低いほうが奥にあるように感じます。このように、進出と後退は、単色で決まるわけではなく、隣接する色の影響によるところが大きいです。

暖色 寒色 中間色
暖色・寒色と中間色

膨張色と収縮色

白いおようふくをきて、しばらくかがみを見てたお母さん。首をひねったかと思うと、何か思い出して、黒いおようふくにきがえたよ。どうしてかな?

膨張色と収縮色
膨張色と収縮色

暖色や白のように明度の高い色は、大きく見えることから“膨張色”、逆に寒色や黒のように明度が低い色は、小さく見えることから“収縮色”と呼ばれます。
図の内側の四角形は4つとも同じ大きさですが、黒よりも白、青紫よりも黄のほうが大きく見えます。
膨張色と収縮色は、しばしばファッションにも取り入れられます。細く見せたい部分に収縮色を使い、その他の部分に膨張色を使うことで、引き締まった印象を与えます。

識別性、視認性と誘目性

しんごうきの赤は、とってもあぶないから、ぜったいにわたっちゃいけないよ。だから、とっても目立つ赤色なんだよ。ふみきりのしゃだんきは、黄色と黒のしましま。とっても分かりやすいね。

識別性
識別性

人は、色の違いから、物の存在や状態を認識します(識別性)。
例えば、信号機や交通標識は、一目で分かるように工夫されています。これは、見えやすさ(視認性)と目立ちやすさ(誘目性)のどちらもが高いからです。逆に迷彩色などは識別性を低くした例だと言えます。ある特定のものの識別性を高めることは、自然や街の美しい景観においては色彩調和を乱すことにもなりかねませんが、信号機や交通標識などの識別性を高めることは非常に重要なことです。

視認性
視認性

図の左上の「黄」はちょっと見えにくいので、明度差をつけたのが右上です。さらに「黄」を有彩色にして彩度差をつけたのが右下、左下は最も視認性が良いと言われる黒と黄の組み合わせです。視認性は、明度・彩度・色相に差をつけることで高まります。特に明度差をつけることが有効で、次に彩度と色相に差をつけることで高まります。

誘目性
誘目性

図で、まず目に飛び込んでくるのは、左下の黄だと思います。誘目性は高彩度色や高明度色のほうが高く、寒色よりも暖色のほうが高いとされています。