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絵本のルーニーズ

3つの色と3つのとくちょう

朝、太陽がのぼると明るくなるのは、太陽の光のおかげだね。もし光が赤かったら、いろんなものが赤く見えてしまうけど、太陽の光は白っぽいから、赤いものは赤く見えるし、青いものは青く見えるね。でも本当は、太陽からは赤や青やいろんな色の光が出ていて、その光たちがまざりあって白っぽくなるんだよ。みんなで助け合って白い光にしてくれてるんだよ。
そのいろんな色の光の中でも、赤と青と緑の3色はちょっととくべつで、赤と青と緑をうまくまぜあわせると、いろんなほかの色が出来ちゃうし、白にもなるんだよ。

光と色の三原色

いろんな色の光がたくさん当たっているから、白い紙は白いんだよ。そこに色えんぴつとかインクとか絵具とかでかいていくと、いろんな色になっていくね。
赤い色えんぴつでかくと、赤い光だけをとおすんだよ。だから赤く見えるんだよ。いろんな色をどんどんかさねていくと、いろんな色の光がとおらなくなって、だんだん黒っぽくなってくるね。

光の三原色
光の三原色

テレビやパソコンのディスプレイのように発光にによって色を表現しているものは、波長の違うR(赤)G(緑)B(青)の三色(光の三原色)の色光の組み合わせで色を表現します(加法混色)。光が全くない場合に“黒”になり、すべての波長が合成された時に“白”になります。太陽の光は、様々な波長の光が混ざっているので、白っぽく見えるのです。

色の三原色
色の三原色

対して、インクや絵具などで紙などに書いたり印刷する場合は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の三色(色の三原色)を基本とし、これらで光を遮る形で表現します(滅法混色)。遮らない箇所は下地の色になります。混色で白を作ることはできませんので、白い紙を使うことが多いのです。逆に三色を混色すると黒っぽくはなりますが、純粋な黒にはなりません。なので、実際には黒(K)を併用してCMYKを基本とします。

ちなみに、隣り合う原色を混色した色を“二次色”といいますが、光の三原色(R,G,B)の二次色は色の三原色の原色となり(C,M,Y)、色の三原色(C,M,Y)の二次色は光の三原色の原色(R,G,B)となります。加法混色と滅法混色の関係性が面白いですね。

色相 ~ 色味

この世界には、いろんな色があるね。お空の青、海の青、葉っぱや木々の緑、太陽は赤くなったりオレンジ色だったり黄色っぽかったり、お月さまは黄色だったり白っぽかったり。お空の青は上のほうと下のほうじゃ、ちょっとちがうね。海の青も深いところと浅いところではちょっとちがうね。同じ青でも、むらさきみたいな青もあるし、緑みたいな青もあるね。

色相環
色相環

“赤”や“青”“黄”といったその色の持つ色味を“色相”と呼び、各色味の関係を円形の図で表したものを“色相環”と言います。図は、色の三原色(C,M,Y)とその二次色、三次色(二次色と原色の混色)からなる12色の色相環で、“赤”“橙”“黄”というふうに変化していますが、24色、36色、またはそれ以上の詳細な色相環も可能です。例えば、“赤”から“黄みの赤”“赤みの橙”“橙”“黄みの橙”赤みの黄”“黄”といった感じです。また、後に述べる明度や色調によっても、無数に色相環はできます。

明度 ~ 色の明るさ

お空の青は、上のほうより、下のほうが明るくなってるね。木の葉っぱの緑は、太陽の光があたっている葉っぱは明るい緑だけど、日かげのところは暗い緑だね。でも時間がたつと、暗かった葉っぱにも光があたって、明るい緑になるね。同じ緑でも、明るかったり暗かったり、おもしろいね。

明度
明度

その色の明るさ・暗さの度合いを“明度”と呼びます。明度が最も高いの色は“白”で、最も低い色が“黒”になります。次に述べる彩度との関係が深く、各色相により、最も彩度の高い色の明度は異なり、その最も彩度の高い色の明度を下げたり上げたりすることで、彩度も下がります。絵具などでは、白や黒の混色で明度調整すると彩度が下がり、透明感がなくなります。
実は明度はとても重要な要素で、視認性や“見え方”に大きく影響します。例えば、背景と文字の明度差が少なすぎると文字が読みにくくなったり、逆に明度差が高すぎると固いイメージになったりします。

彩度 ~ 色の鮮やかさ

雲ひとつない日には、お月さまも星たちもすごくキラキラしてて、ぼくたちわたしたちをてらしてくれるね。でも、白い雲がかかっちゃうと、なんだかくすんでしまって、キラキラじゃなくなっちゃうね。でも、そんなお月さまも、ぼくは好きだよ。

彩度
彩度

色の鮮やかさの度合いを“彩度”と呼びます。鮮やかな色ほど彩度が高く、くすんで鈍い色ほど彩度が低いということになります。絵画などでは、絵具の色が冴えすぎている場合に、白を少量混色して調子を落とします。逆に、鮮やかさや透明感を出すには、むやみに混色しないほうが良いです。また彩度は、紙などの媒体の材質により大きく変わってきます。図は、明度を一定に保って彩度を変更した例です。絵具などでは白と黒を適量混色したことになります。白、黒、グレーは“無彩色”と呼び、最も鮮やかさのない色ということになります。それ以外の色は無彩色に対して“有彩色”と呼びます。

トーン(色調) ~ 色の調子

雲ひとつないお月さまは生き生きしてるけど、雲がかかったお月さまもなんだか深い味わいがあるね。
お天気のいい日に、朝早くおきてお空を見上げると、すんださわやかな青が広がってるね。その青はお昼が近づくととっても生き生きとしてきて、ぼくらもからだを動かしたくなるね。やがて夕方近くになると、なんだかおだやかな青になってきて、ぼくたちもやさしい気分になってくるよ。

トーントーン
トーン

明度と彩度をあわせた考え方を“トーン”と呼びます。トーンは、明・暗、強・弱、濃・淡、浅・深の違いを表したもので、同じ色相でも、これらの違いが様々にあります。
最も明るくて最も彩度の低い色が白(W)、最も暗くて最も彩度の低い色が黒(Bk)です。無彩色では、その間にライトグレイ(ltGy)、ミディアムグレイ(mGy)、ダークグレイ(dkGy)がありますが、純色にこれらを混色していくと、様々なトーンになります。
ちなみに、PCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co-ordinate System)ではこれらの違いを、12種類の鮮やかさが同じグループに分けていますので、ご参考ください。

ビビッドトーン(v)
[鮮やか] 冴えた、強烈、生き生き、派手(原色、純色、最も彩度が高い)
ブライトトーン(b)
[明るい] 健康的、陽気、華やか(彩度が高く澄んだ明るい色、純色に少量の白を混色した色)
ストロングトーン(s)
[強い] くどい、動的、情熱的(純色に少量の白と黒を混色した色)
ディープトーン(dp)
[深い] 濃い、充実、伝統的、和風(純色に少量の黒を混色した色)
ライトトーン(lt)
[浅い] 爽やか、澄んだ、子供っぽい、楽しい(純色に白を混色した色)
ソフトトーン(sf)
[やわらかい] 穏やか、やさしい、ぼんやり(純色に白と少量の黒を混色した色)
ダルトーン(d)
[鈍い] くすんだ、穏やか、自然、中間色調(純色に白と黒を混色した色)
ダークトーン(dk)
[暗い] 渋い、大人、丈夫、円熟(純色に黒を混色した色)
ペールトーン(p)
[薄い] 淡い、軽い、弱い、若々しい、ロマンテッィク、女性的(純色に多量の白を混色した色)
ライトグレイッシュトーン(ltg)
[明るい灰みの] 落ち着いた、おとなしい、渋い(純色に多量の白と少量の黒を混色した色)
グレイッシュトーン(g)
[灰色がかった] 濁った、地味、渋い、落ち着いた(純色に多量の白と黒を混色した色)
ダークグレイッシュトーン(dkg)
[暗い灰みの] 重い、固い、男性的、陰気(純色に多量の黒を混色した色)